葛西説教20220717②
1. テキスト「ヨハネ3:1-15」
2. タイトル「新しく生まれる」
「人は、新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません」
4. 本文「新しく生まれる」
㈠ 序「ニコデモの紹介」
ニコデモは、イエス様の十二弟子以外では、宣教活動を始められたイエス様と個人的にお話した最初の人です。彼は聖書によれば、パリサイ人で、ユダヤ人の指導者、イスラエルの教師でした。おそらくエルサレムの最高議会サンヘドリンの一員でもあったことでしょう。であるので、彼はおそらく老年であり、豊かな知識と経験もあり、何不足ない人物だとされていたことでしょう。
しかし、そのニコデモがイエス様のもとに、イエス様と個人的にお話ができる夜に、会いに来たのでした。おそらく、彼はサンヘドリンを代表してではなく、個人的にお供も連れずに、イエス様に教えを求めに来たものと思われます。このニコデモの訪問は、先の「宮きよめ」と無関係ではないと思われます。イエス様が律法の教え、伝統、暗黙の了解や習慣を人々の前で堂々と破り、そのことに危機感を抱いていたのではないでしょうか。
このイエス様との出会いは、彼の信仰生活に大きな影響を与えたようです。ニコデモはイエス様の十字架の時、葬りのために没薬と乳香を混ぜたものを持ってきたことからも、イエス様への信仰を持つに至ったようです(ヨハネ19:39)。
㈡ 本論①「イエス様の教えを求めたニコデモ」
ある日の夜分の話です。「トントン、ちょっとすみません。お話があるのですが」と、イエス様のところに一人のお客様が訪ねてきました。それはニコデモでした。ニコデモは聖書知識も豊富で、律法に厳しいパリサイ人の一人でした。しかも、イスラエルの政治を司る最高議会、サンヘドリンの議員でもありました。当然、人々の間で評判もよく、立派な先生、律法の教師であったでしょう。その人が公人として昼間に堂々と、いつも弟子たちに囲まれているイエス様を訪ねず、夜、イエス様のおそらく宿をとっているところに訪ねてきました。
当時、多くのパリサイ人はイエス様に反発していました。特に先週の「宮きよめ」の後はその声も大きくなっていたことでしょう。しかし、「カナの婚礼」の奇跡などで民衆の多くはイエス様を信じていました。それでニコデモも他の議員や学者、仲間に分からないように、夜、会いに来たのではないでしょうか。
㈢ 本論②「イエス様の新生の教え」
そのニコデモにイエス様は、3節で「人は、新しく生まれなければ、神の国を見ることはできない」と教えられたのです。でも、ニコデモには何のことかわかりませんでした。それは新しく生まれると言われても、もう一度、お母さんから生まれ直すなんてできないからです。それで、ニコデモはイエス様に尋ねました。ここで、イエス様が新しく生まれると言われたのは、私たちの心のことを言われたのでした。
それは私たちの心は、生まれつきのままでは、罪に満ちているからです。その罪により、人の悪口を言う、人を憎む、悪い行いをするような罪が私たちの心に満ちているのです。ですから、そのままでは神の国に入ることはできないのです。
しかし、そのような私たちのために、イエス様は十字架にかかって死んでくださいました。ですから、私たちは自分の罪を認め、悔い改め、イエスの十字架は自分のためなのだと信じるなら、罪を赦され、新生され、心を新しくされ、神の国に入ることがゆるされるのです。そのことをイエス様は5節「人は、水と御霊によって生まれなければ、神の国に入ることができません」と言われたのでした。
㈣ 本論③「モーセの蛇とイエス様の十字架」
ここの14節で突然、旧約聖書のモーセの青銅の蛇の話が出てきます。それはその青銅の蛇には、イエス様の十字架のひな型があるからです。神の罰を受けたイスラエルの人々が、神様が命じモーセが作り上げられた青銅の蛇を仰ぐことによって救われたように、今、私たちも十字架に上げられたイエス様を信じ仰ぐことにより救われるということなのです。
ですから、信仰とはイエス様を信じて仰ぐこと、すなわちイエス様を信じて従うことなのです。私たちが教会に集まり、礼拝をささげる理由もここにあります。信仰は個人的なものというとらえ方もあるでしょうが、信じる私たちとして仰ぎ続ける教会の礼拝、従い続ける信仰共同体、霊的なキリストのからだとして生きていく一人ひとりなのです。その意味で見える教会の存在は、深いし大切なものなのです。
㈤ 勧め「新しく生まれる」
「人は、新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません」「ヨハネ3:3」
皆さんは、イエス様を信じて、新しく生まれておられるでしょうか。イエス様を信じて罪赦されて、救われるとは、心が新しく生まれているということなのです。そうしていただくなら、それは永遠のいのちの恵みにあずかれ、神の国に入ることをゆるされるのです。どうか、すべての人にこのイエスの十字架の恵みを信じていただきたいと願います。
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