新約聖書から神の愛をあなたへ

福音伝道教団

葛西福音キリスト教会


「救い主の誕生」

葛西福音キリスト教会説教

1.テキスト「ルカ2:1-20

2.タイトル「救い主の誕生」

3.中心聖句「ルカ2:11

「きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。」

 

4.本文「救い主の誕生」

)「主役は羊飼い」

 タイトルは「救い主の誕生」ですが、聖書の専門家はこの個所をこのように言っています。1節から5節の歴史的情景も、6節と7節のイエスの誕生も、8節から20節までの羊飼いさんの物語の序文だと。すなわちこのクリスマスに羊飼いさんに起こったこと、そして羊飼いさんが起こした行動が重要だと言っているのです。

 また、クリスマスは、冬至の時期にお祝いされます。それは冬至が、暗く寒い冬から明るく温かい春への分岐点となることが理由とも言われています。

 ですから天使は「今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来た」と言いましたが。事実、羊飼いさんの人生は、このクリスマスの夜を境に大きく変わったのです。喜びのある人生に。どうか、今日お越しの皆様にとっても、この羊飼いさんの物語を通して、喜びのある人生へと一歩踏み出していただきたいと、願います。

 

本論) 「救い主の誕生」

Ⅰ.「羊飼を取り巻く環境」

 その当時、国はローマという国に支配されていました。それは力と経済による支配でした。皆さんは「すべての道はローマに通じる」とか、「ローマは一日にして成らず」とか耳にしたことはありませんか。そのようなことわざにも取り上げられる強大な国、それがローマでした。その国から、人口調査をするように命じられたのです。目的は税金を納めさせるためでした。その税金は、羊飼いさんの国のためではなく、ローマの国のために吸い上げる目的のものでした。

 また、羊飼いさんと聞けば、皆さんは動物と触れ合える仕事でいいなと思うかもしれません。しかしクリスマスの夜、野宿で羊番する羊飼いさんは、国の中ではさげすまれていました。裁判で証人になれないとも言われています。また、宗教的にも、経済的にも低く、だれにも尊敬されることはなかったでしょう。

 

Ⅱ.「救い主の誕生」

 そのような羊飼いさんに天使はクリスマスの訪れを告げたのです。しかも、そのクリスマスの訪れは羊飼いさんのみならず、この民全体へのお知らせだと言うのです。すなわち、社会的信用も地位も、経済的には小さな存在の羊飼いさんにクリスマスの喜びを多くの人びとに伝える役割が与えられたのです。不思議なことを神様はされますね。

 羊飼いさんは飼い葉おけに寝ておられるイエス様を捜しに行きました。でも、当時、飼い葉おけは多くの家の家畜小屋にありました。ですから、羊飼いさんは一軒一軒、捜し歩いたことと思います。そしてとうとう羊飼いさんは飼い葉おけに寝ておられるイエス様に出会うことができました。羊飼いさんは飼い葉おけのイエス様を見て、天使のことばの意味を深く知ったことでしょう。「あなたがたのためのしるし」という意味を。聖書は教えています。

「布にくるんで、飼葉おけに寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである。」(マタイ2:7)

 イエス様はこの世で居場所を見いだすこができない人々のためのメシヤとしてお生まれなさったのです。そのことを知って羊飼いさんは喜び、神を賛美して帰って行ったのでした。その意味について聖書は更に教えています。

「主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられました。それは、あなたがたが、キリストの貧しさによって富む者となるためです。」(Ⅱコリント8:9)

 救い主イエス様が貧しくなられたのは、お生まれになった時だけのことではありません。大人になってからのイエス様は、すべての人々の身代わりとなって、十字架にかかってくださいました。それは私たちの罪が赦されるために、何の罪もないお方が罪びととして命をとられてしまったということです。

 

勧め) 「救い主の誕生」

 

 クリスマスは、私たちの救い主であるイエス様のお誕生をお祝いする時です。私たちも羊飼いさんのように神を賛美し喜びましよう。でも、ただ喜ぶだけで終わりではありません。救い主であるイエス様を信じて、心の中にお迎えしましょう。その時、私たちも本当のクリスマスを過ごすことができるのです。