葛西説教20220925②

1.テキスト「マタイ8:5-13」

2.タイトル「みことばの権威」

3.中心聖句「マタイ8:8」

「ただ、おことばを下さい。そうすれば、私のしもべは直ります。」

4.本文「みことばの権威」

　序）「みことばには力がある」

　イエス様のみことばには、どんな病気をもいやす、すばらしい力があります。またどれほど困難な問題にぶつかっても、みことばにはそれを解決することのできる力があるのです。このことを本日は聖書から学びましょう。

　マタイの8、9章ではイエスが語るみことばには「神の権威」があり、奇跡を行なう力となって現われることを明らかにしている。そのことをマタイ4:23「イエスはガリラヤ全土を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、民の中のあらゆる病気、あらゆるわずらいを直された」と、マタイ9:35にも繰り返されて、宣教の後にいやしのわざが組み合わされて続いています。

　こうしてマタイは教えます。新しいモーセであるイエスにおいても、モーセの語るみことばにある神様の権威が、奇跡を伴って現わされるのです。

 

本論）「みことばの権威」

Ⅰ.「百人隊長の人柄」

　イエス様がカペナウムという町におられた時のことです。一人の百人隊長がみもとに来て懇願しました。イエス様、私のしもべが中風で、家に寝ていて、ひどく苦しんでいますと。

　マタイは百人隊長を登場させ、彼を通して、異邦人とイエス様とのかかわり合い方を描いています。そして私たちにも、罪びととイエス様の十字架との出会いを示す大切な場面の目撃者に加えるためでもあります。マタイはその役割を百人隊長に与えているのです。

　そもそも、百人隊長は古代ローマ軍隊の主力で、百人からなる部隊の隊長です。基本ローマ軍は6千人単位の編成で、その中に60の百人隊がありました。おそらく、この百人隊長は、ヘロデ・アンティパスによって雇われた隊長であったと考えられています。新約聖書に登場する百人隊長の多くは、尊敬すべき人物と描かれています（マタイ27:54、使徒10:1-48、使徒22:25.26、使徒23:17.23、など）。

　このときのしもべは、おそらく百人隊長から息子のように愛されていたと考えられています。ですから、当時のローマ法において、生殺与奪の権を持っていた隊長がしもべに対して、このような愛を持っていたことは、隊長の人となりを私たちに伺わせます。そして完全ではありませんが「神の国とその義とをまず第一に求め（命・現・能）なさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与え（直・未来・受）られます。」（マタイ 6:33）の原則を教えられます。また、ルカは「この人は、あなたにそうしていただく資格のある人です。この人は、私たちの国民を愛し、私たちのために会堂を建ててくれた人です」（ルカ7:4.5）と記しています。

 

Ⅱ.「百人隊長の信仰」

　百人隊長の願いを聞かれ、イエス様はすぐに「わかりました。私があなたの家に行って、いやしてあげましょう」と言われました。しかし、百人隊長はそれを断ってしまいます。そして「私のような者の家に、あなたをお迎えするような資格は、私にはありません」と言ってしまうのです。皆さんだったらどうでしょうか？普通は、イエス様に「今すぐに来てください」とお願いするところですよね。

　百人隊長はその代りにこのようにイエス様にお願いしました。『ただ、おことばを下さい。そうすれば、私のしもべは直ります』と。そうすれば私のしもべは、必ず治りますと言うのです。この百人隊長はイエス様のみことばの権威を、力、実現力を信じていたのでした。そして彼は組織の長である彼自身のことばの権威を語ります。それならば、神の子であるイエス様のみことばにはどれほどの権威と力、実現力があるのでしょうと。

　すばらしいですね。まさに、創世記に始まる神のみことばの力、無から有を創造する力に対する信仰が、百人隊長の口から出ることばにより証されています。

 

Ⅲ.「みことばの権威」

　イエス様は、この百人隊長のことばに、大変驚かれました。まわりの人々に、「イスラエルのうちのだれにも、このような信仰を見たことがありません」と言われました。百人隊長は、神様の約束をいただいたイスラエル人ではなく、本当の神様を知らない外国人、異邦人でした。しかし、百人隊長はイエス様のみことばを信じる信仰において、どんなイスラエル人にも負けないものを持っていました。

　イエス様は、「さあ行きなさい。あなたの信じたとおりになるように」と言われました。すると、ちょうどその時、そのしもべはいやされたのです。イエス様の「権威」あるみことばがいやしました。しかもそれは「あなたの信じたとおりになるように」と、百人隊長の驚くべき信仰に対する答えとしてなのでした。神学者は「神の祝福は信仰のはかりによる」と言います。

 

Ⅳ.すすめ「みことばの権威を信じましょう」

 

　どうでしょうか。あなたも、みことばの権威を信じませんか。イエス様のみことばは真実です。必ずそのとおりになります。病気になったとき、まずイエス様にお祈りしましょう。また、どうしていいかわからない時も、まずイエス様にお祈りしましょう。イエス様はみことばをとおしてお語りになられ、最善の道に導いてくださいます。そして、私たちがそのみことばを信じる時に、すばらしいみわざを必ず現わしてくださいます。