福音伝道教団-葛西福音キリスト教会　礼拝聖書のお話し　2021年１０月３日(日)

1.テキスト「ヨブ1:6-12」

2.タイトル「試練」

3.中心聖句「Ⅰコリント10:13」

「あなたがたの会った試練はみな人の知らないものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを、耐えられないほどの試練に会わせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えてくださいます。」

4.本文「試練」

序)「成長したクリスチャンとは」

　試練について、このようなことばがあります。「成長したクリスチャンとは、試みられたクリスチャンである」と。このように言われているように、クリスチャンと試練の関係は、マイナスにとらえられるかもしれませんが、私たちの信仰の成長のチャンスでもあるのです。

　それは聖書において試練というものが、神と契約を結ぶ者にとって避けることができない道であったからです。アダムが、善悪を知る木の実から取って食べてはならないと命じられたのもそれでした。ノアが水の中を通ったのも契約的な試練でした。アブラハムがイサクをささげるように命じられたのも同様なものであると考えられています。それゆえにイスラエルとキリスト教会の歴史は、個々の信者の生活を含めて、試練の歴史であったのです。本日はヨブに対する試練を通して、私たちの試練に対する信仰について考えを深めたいと願います。

本論) 「試練」

1.「ヨブの試練」

　先月、聖書から私たちは教えられたように、ヨブは非常に多くの富を所有していると共に、宗教的にも、道徳的にも申し分のない立派な人物として紹介されていました。ところが本日、司会者が聖書を拝読されたように、訴える者と言われているサタンが、ヨブの敬虔は見せかけのものだと神に訴え出ます。ヨブの敬虔な信仰は、富の繁栄した状態が続く間だけのものにすぎないと非難します。すなわち、ヨブの信仰はご利益中心信仰であり、その信仰は神の愛との人格的交わりではなく、神を豊かさを得るための手段、道具とおとしめていると。サタンは神のヨブに対する評価に挑戦します。新約聖書ではマタイ4:3で「試みる者」と紹介されるサタンも、ヨブ記2:1においては、悪魔は堕落した悪しき霊としては描かれてはおらず、神の使いとして登場したと記されています。

そのため神はヨブを、当時神の使いであったサタンの助言を受け入れ、その手に渡し、試みることを許したのでしょう。

聖書によると、サタンは他の御使いと同じく本来は善なるものとして神によって創造されたものであったのに、堕落により悪しきみ使いすなわち悪魔となったと考えられています。何か、映画「スター・ウォーズ」で、非常に強いフォースを持つとされていたアナキン・スカイウォーカーが、シスの暗黒卿ダース・ベイダーに変貌したことと似ていますね。サタンの変貌の時期について、断定することは困難とされていますが、神の創造のみわざの完成と人間の堕落との間に起きたと考えられています。いずれにせよ、悪魔は、創造主、神に反逆し、それ以後、神と人間の手ごわい敵となったのです。

そして、イエス・キリストは、この悪魔の軍勢とわざを破壊するためにこの世界に来られました。イエス・キリストの生涯を通じて、悪魔の活動もまた活発でしたが、主は十字架と復活において悪魔に勝利されたのです。

2.「私たちの試練」

　では、このヨブの試練は私たちに何を教えているでしょうか。それは、すべてのクリスチャンが試みられ、人の心の中にあるものが何であるかを神は知られるお方であるということです。神である主は、主の教えに従うかどうかを試みられるのです。ですから、先にはお話ししましたように、「成長したクリスチャンとは、試みられたクリスチャンである」と言われているのです。しかも、神である主は、私たちにこのように約束し励ましてくださいます。

(Ⅰコリント10:13)「あなたがたの会った試練はみな人の知らないものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを、耐えられないほどの試練に会わせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えてくださいます。」と。

神である主は、人が試みに遭う時、必ず脱出の道を備えて下さるのです。私たちはこの約束を心に留める信仰が大切です。ここでの脱出の道とは逃げる道ではないのです。神の御心のうちに確かにされた道、勝利へと導く道、神が備えて下さる祝福の道なのです。

勧め) 「試練」

　まず、はじめにイエス・キリストの十字架を信じましよう。そうするならば、私たちの人生を壊す悪魔の働きに必ず勝利することができ、天国の切符をいただけるのです。

　また、私たちが生きていくうえで、試練は避けて通れないものなのです。特に神である主に、忠実であろうとする神を愛するクリスチャンにもです。それであるので、「成長したクリスチャンとは、試みられたクリスチャンである」と言われているのです。

　ですから、(Ⅰコリント10:13)「あなたがたの会った試練はみな人の知らないものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを、耐えられないほどの試練に会わせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えてくださいます。」。この神の約束、脱出の道、神の御心のうちに確かにされた道、勝利へと導く道、神が備えて下さる祝福の道を信じましょう。