葛西説教20220619②
1.テキスト「ヨハネ1:29-34」
2.タイトル「神の小羊」
3.中心聖句「ヨハネ1:29」
「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」
4. 本文「神の小羊」
序)「ヨハネの神学書的展開」
ヨハネの福音書は共観福音書と異なり、その目的が明らかに記されています。(ヨハネ20:31)「これらのことが書かれたのは、イエスが神の子キリストであることを、あなたがたが信じるため、また、あなたがたが信じて、イエスの御名によっていのちを得るためである」と。
その他にも、ヨハネの福音書と他の共観福音書であるマタイ、マルコ、ルカとの違いは、ヨハネの福音書にある神学書的展開です。その一つは、1:29から2:20に記される1週間の出来事が、受難物語として知られる最後の一週間の出来事と対置されています。また、どの福音書記者も、イエス様の生涯と活動を、その根源にさかのぼるように記述しています。マルコはバプテスマのヨハネの宣教とイエス様の受洗の出来事から、マタイとルカはクリスマスのイエス様の処女降誕の出来事を、しかし、ヨハネは創造のわざとそれを越える永遠の「ことば」の存在という創世記を踏まえる記述から書き起こしています。そのことを聖書学者は、イエス様の生涯と活動、イエス様と父なる神様との関係がほんとうに理解されるのは、史的イエスを超えた永遠の起源と背景からであると述べ、ヨハネを特に圧倒的な神学的関心をもって取り組んでいると記しています。その意味で、ヨハネの福音書の学びには、他の共観福音書とは異なる神学的な深みを、私たちは覚えることになるでしょう。でも、私にではなく、私たちを導く神様に期待してくださいね。私はあまり頭がよろしくないのですから。
本論)「神の小羊」
Ⅰ.「バプテスマのヨハネの証言①」
先週お話ししたバプテスマのヨハネについては皆様もよくお知りのことと思います。イエス様が伝道の働きを始められる前に、ユダの荒野で神様のメッセージを伝えました。彼は、「悔い改めよ。天国は近づいた」と言いながら、人々に水でバプテスマを授け、主のための道備えをしました。そしてイエス様にもバプテスマを授けました。ヨハネは、イエス様のことを次のように紹介しました。「救い主はわたしよりも後からおいでになるが、わたしはその方のくつのひもを解く値打ちもない」また、「私は水でバプテスマを授けているが、その方は聖霊によってバプテスマを授けられる」と。
ヨハネ自身は、自分は決して救い主ではなく、ただ救い主の道を備える者でしかなく、イエス様は自分よりもずっとすぐれたお方だと。彼は徹底してへりくだっていました。神様はこのような、心の低い人をお喜びになられます。
Ⅱ.「バプテスマのヨハネの証言②」
イエス様が洗礼をお受けになって、しばらくして、バプテスマのヨハネはイエス様が歩いておられるのを見ました。その時、自分の弟子たちに、「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」と教えました。ユダヤの律法や風習に詳しい弟子たちには、おそらく神の小羊と聞いて頭に浮かぶものがあったことでしょう。それは犠牲の小羊です。イスラエルの人々が、罪を犯したとき、その罪を神様にゆるしていただくために行う儀式がありました。それは祭司の所に小羊を連れて行き、祭司はその小羊の頭に手を置いて祈ります。そして刃物を小羊の首に刺して殺します。祭司は流れ出た血を祭壇に注ぎ、小羊のからだを祭壇で焼くのです。
すなわち、小羊は、罪を犯した人の身代わりとなり、その罪を背負って殺され、神様にささげられたのです。
Ⅲ.「神の小羊、イエス様が私たちの罪の身代わり」
バプテスマのヨハネは、イエス様のことを、その神の小羊と言いました。これはどういうことなのでしょうか。イエス様は、罪のない神の御子でした。しかし、私たちのために十字架におかかりくださいました。ほんとうは、罪を犯してしまう弱く愚かな私たちが、神様から裁かれなければならないのです。しかし、イエス様は私たちの罪の身代わりとなり、贖いのみわざを十字架で成し遂げてくださったのです。イエス様ご自身が、神様にささげられる罪の贖いのための犠牲の小羊となって下さったのです。
ですから、私たちは、もう小羊を祭司の所に連れて行く必要はありません。イエス様を信じればよいのです。罪を悔い改め、イエス様の十字架が私の罪のためであったと信じるなら、誰でも罪が赦され、救われるのです。
バプテスマのヨハネは「罪を取り除く」と教えました。これは、イエス様の血は、救われた後も、私たちに罪を犯させる古き人を取り除き、私たちを全くきよめてくださるということなのです。
勧め)「神の小羊」
皆様は、もう既に、神の小羊イエス様を信じて救われておられるでしょうか。まだ、信じておられない方は、一日も早く、救いの恵みをいただいてください。
また、救いの恵みにある皆様、罪のきよめのみわざを日々体験して生きておられるでしょうか。どうか、神様のものとされた皆様には、いつも神様に喜んでいただく神の子どもにさせていただきましょう。
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