1.テキスト「ヨハネ17:1-5」
2.タイトル「永遠のいのち」
3.中心聖句「ヨハネ17:3」
「永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです。」
4.本文「永遠のいのち」
序)「子どもの自死」(教育テレビETV特集『谷川俊太郎と死の絵本』より)
最近、詩人の谷川俊太郎(90歳)が子どもの自死についての絵本を出しました。日本を代表する詩人、谷川俊太郎は1931年、東京に生を受け、21歳の時に出した詩集『二十億光年の孤独』で鮮烈なデビューを飾りました。テレビのインタビューで「ことばの冒険家になりたいという気持ちが僕にはある」と答えた彼は、70年以上死を描き続け、宇宙と孤独について考えてきたという。その走りとしてデビュー作の詩「二十億光年の孤独」では「万有引力とは、引き合う孤独の力である…」と記しています。その彼は子どもの自死の理由について「僕は基本的に、自殺には理由がない。…人間が社会生活を送る上で、生活難とか、病気とか、親しい人の死とかあって、それが理由だと言われますが。もっと深い理由があるという気がします」と。子どもの自死理由の文部科学省調査結果からも、不明52.5%との結果です(自殺した児童生徒が置かれていた状況[2020年度 文部科学省資料])。ですから自殺の原因の半数は不明で、周囲から見ても様子が変わらず、悩みを抱えていた様子がないケースが多いのです。
ですから、認定NPО、国際ビフレンダーズ、東京自殺防止センターで子どもの自殺防止のための電話相談を20年間行っている村明子さん(自殺防止センター理事)は、相談を受ける時、「分かる」ということばを決して言わないようにしていると言います。「死にたい気持ちがどこから来ているかという理由は、私は聞かない。…生きることができるなら、生きたいという気持ちがあるのだけど。それは状況とかではなく、気持ちが生きられない気持ちになっているということを受け止めることが大事だと思っています」と。また、ある高校生の相談では「学校ではむちゃくちゃ明るいからと。それで色々な委員とかもいっぱい受けて、やるのだけど。家に帰って来ると、すごく疲れてしまう。それ全部ウソ(明るく元気な人を演じている)なので、それを(周囲に)悟られないようにしたい気持ちがすごく強くて、よけい死にたくなる」と。村さんはそのような相談の経験から「自殺の準備をして、迷っていないという方とかも、何で電話してくるのかというと。最後にここに自分がいた(存在した)ということを分かち合いたいとか。…こんな自分につき合う人がいるのだろうかという最後の確認。そんな思いで電話してくる人がいる気がします」と。
このような子どもの自死の深刻な状況に、聖書が語る神のことばは、どのような希望を私たちに与えてくれるのでしょうか。
本論)「永遠のいのち」
本日のテキストは、十字架の死を直前に控えたイエスと弟子たちの最後の晩餐の終わりにイエスが祈られた祈りです。その祈りから「永遠のいのち」の希望を学びたいと願います。
Ⅰ.「永遠のいのちとは何か」
それはイエスがくださるいのちです。イエスは父なる神に祈られる中で「あなたからいただいたすべての者に、永遠のいのちを与えるため」と言われました。イエスは私たちに永遠のいのちを与えるために来てくださったのです。
また、それは私たちに勝利を与えるいのちです。
第一は罪に対する勝利です。イエスを信じて永遠のいのちをいただくならば、私たちは罪に勝利することができるのです。
第二は誘惑に対する勝利です。ペテロにイエスの祈りがあったように、永遠のいのちは悪魔の誘惑から勝利させていただけるのです。
第三は死に対する勝利です。すべての人に死は訪れます。誰も逃れることはできません。しかし、イエスは十字架の死から復活し、死に勝利されました。それゆえに死は永遠の世界への入り口にすぎないのです。
Ⅱ.「永遠のいのちをいただくためには」
イエスは祈られました。(ヨハネ17:3)「その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです」と。
「知ること」とは、単に知識として知るのではありません。元々の意味は絶えず増大する経験を指すことばです。それは神とともに生きる私たちの日々を意味するのです。
ですから、全知全能なる父なる神を信じ、そして私たちの罪のために十字架におかかりになられたイエスを信じることです。本来、私たちは自分の罪のために神から罰を受けなければならない存在でした。しかし、イエスが私たちの罪の身代わりとなって神の罰を受けてくださったのです。私たちはこれまでの罪を悔い改め、イエスを信じるなら私たちの罪は赦され、永遠のいのちをいただくことができるのです。
勧め)「永遠のいのち」
冒頭で子どもの自死について記しました。そこには深刻な闇がありました。しかし、聖書は「永遠のいのち」という希望に至るいのち、祝福に至るいのちを教えてくださり感謝いたします。
ですから、まだいただいておられない方は、イエスの十字架を信じてください。そして神とともに生きる一日一日を体験してください。永遠のいのちは、あなたが生まれた存在を祝福し、あなたの生きる価値を明らかにされます。
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