福音伝道教団-葛西福音キリスト教会-礼拝聖書のお話し 2021年9月12日(日)
1.テキスト「ヤコブ5:7-11」
2.タイトル「再臨は近づいている」
「あなたがたも耐え忍びなさい。心を強くしなさい。主の来られるのが近いからです。」
序「ヤコブ書はわらの手紙?」
本日は、教団の信仰に学ぶの第4弾、「主の再臨は近づいている」ことについて学びましょう。詳しく学ばなければならない点は、まだまだ多くあると感じてはいますが、福音伝道教団の聖書の読み方、考え方、基本的信仰について、手掛かりとなる「私たちの信仰告白の手引き」から学びましょう。
皆さんはヤコブ書が「わらの手紙」と言われていたことを聞いているでしょうか。ルターは、ヤコブ書に「人は行いによって義と認められるのであって、信仰だけによるのではない」とあることで、「わらの手紙」と非難しました。そのため1522年にルターが出版した聖書では、ヘブル、ヤコブ、ユダ、黙示録を付録のような形で聖書の一番あとに付け、目次にも載せませんでした。このルターのヤコブ書に対する「わらの手紙」という評価が誤解を生み、しばしば文脈を離れて人々に引用されますが、彼は聖書の他の書簡と比較し「これらの書に比べて」と言っているのであって、この書を否定していません。その後神学者ティンダルにより正当に評価されます。ただ、このルターの一言のかたよった評価は、ヤコブ書の評価に多大な影響を与え、正当な価値の回復に多くの年月と労力を必要としたのでした。
本日はそのヤコブ書から神様からの「再臨は近づいている」という大切なメッセージに耳を傾けていただきたいと願います。
テーマ)「再臨は近づいている」
「主の再臨は近づいている」ことについて記されているのは先ほどの信仰告白の手引き、第8章「世にある証人として主の再臨を待ち望む」の中にあります。そこには、「確かに主の再臨は近づいている」と記されています。そして、「主の再臨は近づいている」ことに深いかかわりのあるみことばとして、ヤコブ5:8が記されていました。
では「主の再臨は近づいている」ことは、私たちにとってどのような生き方を勧めるのでしょうか。その生き方について聖書の語りかけに耳を傾けてまいりましょう。
Ⅰ.「神様は私たちに耐え忍ぶことを望まれます」
神様は、私たちに耐え忍ぶことを望まれます。しかし、それはただ耐え忍ぶことを求められているのではないのです。聖書は私たちに語りかけています。
(ヤコブ5:8)「あなたがたも耐え忍びなさい。心を強くしなさい。主の来られるのが近いからです。」と。
「主の来られるのが近い」からと、非常に切迫感をもって語られています。そしてここに初代の信徒の信仰の力の秘密があると言われています。もし私たちが、主の再臨を不確実なものと感じ、遠い将来のことと思い始めたとき、それはもう私たちの希望ではなく、一つの主義へ堕落してしまうからだと。この再臨はキリスト教の教えの中心に位置する重大事と言われています。なぜなら、私たちにとって再臨待望信仰は私たちの希望だからです。
では、主の再臨を待ち望む私たちは、どのように耐え忍ぶのでしょうか。
①「つぶやかずに耐え忍ぶ」
まず、第一は「つぶやかずに耐え忍ぶ」ということです。聖書は語ります。
(ヤコブ5:9)「兄弟たち。互いにつぶやき合ってはいけません。さばかれないためです。」
私たちが迫害と試練の中にあるとき、その最大の危険は「つぶやき」だと教えるのです。私たちは思うようにいかず、苦しみと痛みを感じている時、その不平不満を他人のせいにして互いになじり合いやすい者だからです。私たちの主であるイエス様は、十字架の御苦しみの時、そのようにはなされませんでした。
そして、第二のことは、預言者やヨブの忍耐に学ぶことが勧められています。それは幸いに至るからであると。
(ヤコブ5:11)「見なさい。耐え忍んだ人たちは幸いであると、私たちは考えます。あなたがたは、ヨブの忍耐のことを聞いています。また、主が彼になさったことの結末を見たのです。主は慈愛に富み、あわれみに満ちておられる方だということです。」
ここで、ヨブの試練が模範として取り上げられた理由は「苦難は無意味ではなく、その中に神が成就される結末と目的とがある」という確信に、私たちの再臨を待ち望む忍耐が支えられなければならないからです。先週、聖書から学んだように、主の摂理とは、私たちを必ず祝福に至らせるものだからです。そしてヨブは物質的に前以上に回復されただけでなく、神を見ることを許されました。それによって彼は、更に神の全能と摂理の秘儀とに対して深い信仰的理解を与えられたのです。ヨブが明らかにしたことは、主を信頼して耐え忍ぶ者に、主は慈愛と憐れみに満ちておられるということです。
私たちにとって再臨待望信仰は私たちの希望です。しかし、この希望はイエスを信じた人のための希望です。もしまだ、イエスを信じておられないのなら信じましょう。また私たちの家族や友人、愛する人々がイエスを信じることができるように祈り、伝道しましょう。
既に、イエスを信じておられる皆様、「再臨は近づいている」のです。ですから、第一に「つぶやかずに耐え忍」びましょう。たとえ、迫害と試練の中にあるとしても。またそのヨブの忍耐を模範としましょう。ヨブ記は確かに私たちに教えているのです。「苦難は無意味ではなく、その中に神が成就される結末と目的とがある」と。主の摂理とは、私たちを必ず祝福に至らせるものなのです。
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