葛西説教20220626②
1. タイトル「イエスの弟子」
2. テキスト「ヨハネ1:35-51」
3. 中心聖句「ヨハネ1:43」 「わたしに従って来なさい」
4. 本文「イエスの弟子」
⑴ 序「弟子となる備え」
イエス様が荒野の誘惑に勝利され、最初の働きを始められた一週間の第三日から第四日までが、本日のテキストで描かれています。第三日はアンデレともう一人の弟子、おそらくヨハネ、それとシモン・ペテロ。第四日にはピリポとナタナエルがイエス様の弟子となりました。
しかし、他の共観福音書のマタイ、マルコでは、シモン、アンデレ、ヤコブ、ヨハネの四人はガリラヤ湖畔で網を繕っている時に、イエス様に「わたしについてきなさい」と声をかけられ、すべてを後にして従ったと(マタイ4:18-22、マルコ1:16-20)。
なお、ヨハネにはアンデレともう一人の弟子は、元々バプテスマのヨハネの弟子であったが、ヨハネに導かれてイエス様の弟子となったと記されています。このことから、ヨハネの記すことが、マタイとマルコの記事よりも時間的に前のことであると考えられています。そのように考えると、彼らが舟を後にしてイエス様に従ったのは、イエス様のことばを始めて聞いた時ではなく、すでにバプテスマのヨハネの教えも、その後イエス様の教えも聞いていたことになります。このことは、弟子たちがイエス様のことばに応答して従うことにも、それぞれの段階と機会、備えの時間があるのだということです。
私たちにも同じように言えるのではないでしょうか。中々信仰が進まなくても、確信がもてなくても焦らずにいましょう。私たちにはできないことも、神様にはできないことはないのですから(ルカ1:37)。
⑵ 本論「イエスの弟子」
① 「最初の弟子」
イエス様の最初の弟子になったのは、バプテスマのヨハネの弟子であったアンデレと、もう一人の弟子でした。彼らは、バプテスマのヨハネがイエス様を見て、「見よ、神の小羊」と言うのをそばで聞いていました。また、そのヨハネが前の日に、「わたしよりもすぐれた方」としてイエス様を紹介していたことも知っていました。二人は、自分たちが尊敬するそのヨハネがこのように紹介するイエス様とは、どのようなお方なのかを知りたいと願い、その話を聞くためにイエス様についていきました。そして、イエス様の泊まっておられる所に一緒に泊まり、イエス様のお話しをじっくりと聴くことができたのです。この時から、アンデレたちは、イエス様の弟子となりました。この二人は、ヨハネからイエス様の弟子へとなりました。この二人はヨハネからイエス様について聞いただけでなく、直接、イエス様と出会い話をし、イエス様が確かに救い主だと信じるようになったのです。
② 「最初の弟子の伝道」
イエス様の最初の弟子となったアンデレは、最初の伝道を行ないました。兄のシモン、後のペテロにイエス様が救い主、メシヤだと伝えました。「私たちはメシヤに今、出会った」と。そしてイエス様のところに誘い、連れていったのです。
おそらく、アンデレは救い主イエス様と出会った喜びに満たされ、誰かに話さなくてはいられなかったのでしょう。
イエス様は会いにきたシモンに言われました。「あなたはヨハネの子シモンです」と。このシモンとは小石の意味です。そして「しかし、私はあなたのことをペテロと呼びます」と。ペテロとは岩という意味があります。そしてアンデレの兄のシモンもイエス様を信じたのです。ただ、聖書中でイエス様が「ペテロ」と呼びかけられたのは、たった一回でした(ルカ22:34)。おそらく、まだ彼がペテロの名に値する人物になっていなかったので、そのことを彼に忘れさせないためであったのだろうと聖書学者は考えています。やはり、ペテロとなるためには、復活の主との出会いと、聖霊の働きが必要だったのでしょうね。私たちの信仰の成長も同じなのでしょうね。
③ 「イエスの弟子とはイエスに従う人」
こうして、三人がイエス様の弟子となりました。そして翌日、イエス様はピリポに出会われました。そして「わたしに従ってきなさい」と言われました。すると、ピリポもイエス様の弟子となりました。
なぜ、彼らはこのようにイエス様の弟子となったのでしょうか。38節で、イエス様は、ついて来る二人の方に振り向いて、「あなたがたは何を求めているのですか」と言われました。ここでイエス様が「だれを探して」と言わず、「何を求めて」と言われたことが大切だと聖書学者は言います。多くの人は人生に何かを求めているが、その求めているものの多くは、自分の欲望を満たしてくれる物質的な保証だと。だからイエス様は彼らを試してそのように言われたのかもしれないと。(マタイ6:33)「神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます」の原則がここにもあるのですね。そしてナタナエルも弟子となりました。
イエス様の弟子となるためには、年令、性別、学力は関係ありません。また何の資格もいりません。ただ必要なのは、素直にイエス様を信じ、みことばに従うことです。そしてイエス様のことを人々に伝え、イエス様の弟子へと導くことなのです。
⑶ 勧め「イエスの弟子」
イエス様は、私たちにも「わたしに従ってきなさい」と声をかけられています。どうか、この最初の弟子たちのように、素直に従ってイエス様の弟子とさせていただきたいと願います。また、既にイエス様の弟子とさせていただいた私たちは家族、友人、この地域に伝道し、主の弟子を祈り求めてまいりましょう。
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